ちょこっと京都に住んでみた。

Amazon Prime Videoの民なのだが、SPY×FAMILYを観ることにハマっている(アーニャ可愛い)

いや、今回はその話ではなく、そのついでに偶然おすすめ欄へ流れてきた「ちょこっと京都に住んでみた。」というドラマが心のバイブルにしたいくらい良かったので、今回はその感想を今月のブログにしようと思う。

 

制作はテレビ大阪(2019年放送)舞台は秋深まる京都。

デザイナーを目指していたものの挫折してしまった主人公佳奈(木村文乃)が、大叔父(近藤正臣)が住む京都の古民家に泊まった数日間を描いた作品。

大叔父と佳奈が織りなすドラマパートと、ロケのような町巡りパートが交互に出てきて、ザ・観光地ではない奥めいた京都を再発見する。

 

佳奈の滞在中は毎日、大叔父からの小さなミッションを課されるのだが、それを通して京都のグルメや自然や歴史と出会う。

景色の美しさや老舗の店々への興味が湧くのはもちろんのこと、ゆったり流れるストーリーとそれにマッチした音楽がとても良い。

 

好きポイントは複数あるのだが、その内のひとつは、一見つっけんどんに感じる態度をとる大叔父とそれに対する佳奈の関係性。

素直においしいものは「おいしい!」とリアクションする佳奈に対して「そんなわかりきったこと、いちいち言わんでよろし」とあしらう大叔父。試聴者としては最初は反応くらい自由にさせろや!と感じるのだが、複数回出てくるこの言葉が徐々に大叔父の照れ隠しに感じるようになる。

自分が勧めたものに対して満点の反応を返してくれる佳奈への確かな愛情を感じるのだ。そして、そう言えるということは、おいしさや美しさなどを常日頃から感じて、自分の選んだものに自信を持っているということ。凄く素敵なことだと思った。

また、そんな拘りがちな大叔父をささっと捌く佳奈も良い。

大叔父が自信満々に語ったあとの「しらんけど」も可愛い。

このように、二人の会話の掛け合いが魅力の一つだ。

 

あまり多くを語るとネタバレになるので、ポイントを挙げるのはあとひとつだけにするが、特に好きなシーンは骨董屋のシーンだ。

大叔父の金継ぎされた器を引き取りに骨董屋へ向かう佳奈が、そこの主人と話すのだが、

"仕事は好きにならないといけないと思っていた"と話す佳奈に対して、店内を自分の好きな物で満たしたりして"仕事を嫌にならないような努力は行っていきたい"と言う主人。

また、欠けたままの骨董も売り物になっていることに対して、"欠けも傷も魅力になる、直してもいいし直さなくてもいい"と器や主人の働き方と自身を重ねて、気づきを得る佳奈には色々と響く部分がある。

 

正直言って、しっかり綿密に作り込まれたドラマというわけではない。ある意味での緩さが心地良い。

そして押し付けて来ないのにしっかり穏やかにあるメッセージ性にも心を打たれた。

 

先月のブログの通り、一人行動が大の苦手である自分に、地元のお店を巡ってコミュニケーションを取ったりするのはかなりのハードルだが、たまには自分の住んでる地域を歩いて、ちょこっと自分の中の地図を広げてみようか、という気分になった。

 

追記:この夏に連続ドラマになるらしい!でもローカルテレビだから観られないかもな...